海外鍼灸の需要 

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Hello from Seychelles!

初めまして、東アフリカに位置する小さな島国セーシェル共和国で鍼灸院を営むアツシです。

現在、世界50ヵ国以上の異なる地域の患者様の治療を担当させていただいております。

早速、今回のテーマ “海外鍼灸の需要” についてお話していきましょう!

セーシェル共和国の人口は、たったの約10万人。そんな島国に鍼灸治療の需要はあるのー?と言うご質問を多々いただきますが…

結論から申し上げますと、需要はあります

果たしてなぜこの国で鍼灸需要があるのか?

これには2つ理由があると感じています。

①歴史的背景

セーシェルと中国の関係性は強く、遥か昔から中国人の方がセーシェルに移り住み商売を営み、現在も強い関係性を保っています。コロナ以前は、1、2年に一度のサイクルで中国からボランティアドクターが派遣されていました。政府系のリハビリテーション施設には、中医師が常住しており、現在もリハビリテーションの一環として鍼灸治療が提供されています。

ドクターの診断書、治療方針欄には度々、”鍼灸治療“の2文字を見かける事が多々あります。

日本の病院でこのようなケースを見かける事はほとんどありませんよね?

度々、病院からのご紹介をいただきご来院される方がいらっしゃいます。それだけ鍼灸治療が、国民の皆様に馴染みの深い治療方法、選択肢であると感じます。

②民族性

所謂お薬で治すと言う治療方法よりも、お薬は出来るだけ使いたくないと言う思考の方が日本よりも多い印象があります。

それはきっと…日が昇れば起き、日が沈めば寝る。Living in natureな、自然に身を任せる生き方が影響しているのかも?しれないですね。

では、果たして鍼灸治療が第一選択になり得るのか?

結論、それは難しいと感じています。

何か身体の問題が発生した際の第一選択は、やはり病院での診察、診断。

そして、処方されたお薬を飲んで様子を見る。並行して理学療法、物理療法がやはり第一選択と言えます。

では、どんな時に鍼灸治療の選択肢が生まれるのか?

病院に行っても、長い間症状が改善せず、他の治療方法は何か無いのか…どこに行ってもダメ…諦めようか…ここで漸く鍼灸治療が選択肢に入ってくるイメージ。

このように、鍼灸治療は高確率で”最後の砦”を担う事が多く、ここセーシェルでも同じく”You are the last hope! ”なんてプレッシャーをかけられる事もしばしば。

逆にそんな事を言われたら、鍼灸師たる者、鍼灸治療の魅力を最大限発揮できるチャンスだと感じワクワクしちゃいますよね!

因みに、この国における他の治療選択肢としては、オステオパシー、カイロプラクティックが存在します。

需要があるか無いか、よりもこれからもっと世界に向けて日本の鍼灸治療の魅力を発信し、需要を生み出していきたいですね。

次回の海外鍼灸事情もお楽しみに!

See you soon

ATSUSHI