はじめまして。鍼灸師の松浦です。今日は不眠と鍼灸についてご紹介します。
ベッドに入ってから寝付くのに時間がかかる、途中で何度も目が覚めてしまう、朝早く目が覚めてしまう、寝たのに疲れが取れない…こんな睡眠の悩みを抱えている方はいませんか?このような睡眠の不調は、日本人の4~5人に1人が訴えているとても身近な問題です。
何か心配事があるときや大事な試験の前日などは中々眠れなかったことがあるのではないでしょうか。このような一時的な不眠は誰もが経験するものです。問題になるのは、不眠症状により、日中の活動に支障が出ている状態です。例えば、眠気が強く仕事で何度もミスをしてしまったり、眠気による倦怠感のせいで外出を控えるなどがある場合です。これは、社会生活機能障害やQOL(生活の質)の障害といわれます。このような不眠の場合は病院を受診することをおすすめします。他にも、睡眠中に大きないびきをかいたり、途中で呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群、脚がむずむずして眠れないむずむず脚症候群などは病院での治療が必要な睡眠の問題です。
このような問題のない「なんだか眠れないな」とか「寝たのに疲れが取れない」という場合におすすめなのが、『健康づくりのための睡眠指針2014~睡眠12か条~』です。睡眠の質を高めて心と体を健康にするために必要な12の指針がまとめられています。
http://kenkonavi.jp/img/kyuuyou_img/kyuuyou_67.pdf
- 良い睡眠で、からだもこころも健康に。
- 適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
- 良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
- 睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。
- 年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
- 良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
- 若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。
- 勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
- 熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
- 眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
- いつもと違う睡眠には、要注意。
- 眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。
(平成26年 厚生労働省健康局より引用)
良い睡眠のためには、起きている時間の質を高めることが大切です。ちゃんと朝食は食べていますか?適度に運動していますか?昼寝が習慣になっていませんか?寝る前にスマホをいじっていませんか?眠くないのに無理して寝床に入っていないですか?寝酒はしていないですか?ご自身に問いかけてみて心当たりのある方はぜひ改善してみてください。
では、鍼灸治療はどのように役に立てるでしょうか。実は鍼灸は睡眠改善にも効果的なのです。鍼でツボを刺激すると、“α波”という脳波がでます。これは、心身ともにリラックスした状態の時に発すると言われています。つまり、鍼灸の刺激は身体の緊張をほぐし、身体をリラックスさせるのです。その他にも、セロトニン(幸せホルモン)やオキシトシン(愛情ホルモン)のような気分を安定させる物質が脳内に出てきます。鍼治療中も寝てしまう方がいるのはそのためなのです。また、鍼治療の得意分野は痛みを取ることです。痛みがあると睡眠の質が下がってしまいます。その痛みを鍼灸治療で取り除くことで睡眠の質も改善するのです。なんとなく睡眠の不調を感じる方、痛みやこりなど身体の不調がある方はぜひ鍼灸治療で心も身体も癒されてはいかがでしょうか?