患者さんに話す「下ごしらえ」のお話

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Tamba

鍼灸治療というと

痛いところに鍼を打つ。そういうイメージを持たれる方が大半ではないでしょうか。

いえいえ、決して間違っては無いのです。それも鍼治療の方法の一つですから。

患部(悪い所・症状のあるところ)に鍼を打つことで痛みの軽減、こわばりの除去。

それも可能ですし。

でも、真髄はそこではないと思ってます。

本題に入ります。

患部に鍼を打つと良くなる。でも。。

例えば、栄養の源の「血液」の流れが十分な人と

乏しい人。

栄養がたっぷり患部に流れ込む人と

そこそこしか流れ込まない人。

どちらが治りやすいでしょう?

そうですよね、流れが十分な人の方が治りやすそうですよね。

では、次に

自律神経が乱れている人とそうでない人は?

乱れてない人の方が、患部の状態は良くなりやすいですよね。

(自律神経については、また別の機会にお話ししましょう)

そうなんです。真髄とは、

患部の状態を良くする「下ごしらえ」から始めることです。

血液の流れが十分でない人。これは血虚と言います。

だから、患部の状態を改善させると同時に、血虚の改善も

行ないます。

その方が、断然良くなるからです。

自律神経が乱れている人は、整えて

身体を興奮モードから、回復モードへ切り替えてあげた方が

治りが良いのは、言うまでもありません。

症状や患部も診ますけど

「人」を診るのが東洋医学。

他にもありますが、これが東洋医学の特徴です。

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岩島 信吾
長野式臨床研究会 鍼灸あん摩マッサージ指圧師 長野式臨床研究会東北支部長の岩島と申します。鍼とは?灸とは?治療の手段のひとつ?でもありますが、東洋医学の真髄とは「下ごしらえ」と認識しています。人により身体や体質は様々です。食材に例えるなら、状態の良い食材はそのまま食べられますが、ひと工夫しないと食べられようもない食材もありますよね。人も同じです。如何に下ごしらえを綿密に行なうかで変わります。それを多くの方に知って頂きたいです。