温熱刺激であればなんであれ灸として機能するのではないか? ……という仮定から作られたのがペットボトル温灸です。
もともとは長男が1歳になるかならないかのころにおなかを下したので、裏内庭に施灸しようとしたことが開発のきっかけです。
赤ん坊を膝の上に乗せ、テーブルに用意した線香に火をつけようとしたところ、まず、ライターの火に興味を持ち、触ろうとしました。
それをよけて線香になんとか火をつけ、さあ、裏内庭を……と赤ん坊の足を持ち上げていたところ、今度は線香の火をつまもうとしたのでした。
結局その時は施灸を中止しました。危険すぎて乳児や小児には火を使うお灸はできないことが十分すぎるほどわかりました。
ドライヤーによる施術も試してみたのですが、音がうるさいため泣いて嫌がって逃げたのです。
聴力がよい長男だけの問題かとも思ったのですが、娘も音と温風の当たる感覚が嫌いで、保育園のころは髪を乾かすためであっても冷風を使えと要求するほどでした。ドライヤーの温風と音に耐えられるようになったのは小学校に入ってからです。
これはおそらくなのですが……私の祖父母の家にあった大昔のドライヤーは、温風が弱く、音も小さかったことを覚えています。そのため乳幼児への施術に利用しやすかったのではないでしょうか。 さすがにこの写真ほど古いものではありませんでしたが、鉄製の重たくて温風の弱いドライヤーで、髪が全然乾かないのを覚えています。
その後、いろいろな方法を試し、最終的にホット専用ペットボトルにお湯を入れる方法に行きついたのです。