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痛みが続くと不安になるのはなぜ?

こんにちは、元うつ病鍼灸師のまなです。

鍼灸院には、「病院に行ったけれどなにも診断が出なかった」という患者さんがみえる事があります。これは鍼灸院でよくある風景だと思うのですが、診断が付かなかった事で「何もなくてほっとした」ではなく、「何もなくて不安になった」という方が一定数存在するというのが事実です。

前提として「病院に行って何もなかった」というのはとても大事な所見であり、検査をして貰ったからこそ私たち鍼灸師は緊急性を除外し、施術を行う事が可能となります。その為、病院に行った自分の判断を否定しないであげてくださいね。

さて、ではどうして「診断が何もなくて不安」に私たちはなる事があるのでしょうか。

以下は不安を認知行動モデルで示した図になります。

認知行動モデル

私たちは何か出来事や身体感覚に「きっかけ」(痛み)が起きると、未知な状況だ!コントロールが出来ない!という「考え」に至ります。そして、”心のアラーム”が逃げろ!と緊急事態を知らせてくれます。これが「感情」、今回は不安のモデルなので「感情」=”不安”です。この「感情」=”不安”はノルアドレナリンを刺激し、自律神経(主に交換神経)の覚醒を促します。それによって身体機能は動悸、緊張、発汗をして”逃げろ!”という指令を出します。また、「感情」「行動」を促進し、過剰なコントロールや回避行動に出ます。

その為、この時の「感情」は本人の体を”嫌な物から逃す”事が目的の為、”心地がいい物”ではその場に留まってしまい目的が達成されません。「不快な物」でなければ”嫌な物から逃す”行動になりません。この時の”不安な感情”は体を守る為には正解の感情になるのです。

痛みやめまい、耳鳴り、不眠など症状が続くといつ良くなるのか分からず、不安になってスマホで検索してしまう・・・。そしていつも落ち込むからと、いけない事だと思っていませんか。

でもその行動はあなたを守る為。だからこそ、この記事にたどり着けたのです。

米倉 まな
米倉 まなhttps://mana89.jimdofree.com
ここちめいど、静岡大学ケア情報学研究所 鍼灸師、産業カウンセラー 中学時代の不登校、就職後の原因不明の体調不良、20歳頃からはうつ病、パニック障害、自律神経失調症、双極性障害等を発症。投薬療法を始め8年が過ぎた頃に鍼灸と出会い、一時は1日30錠以上になっていた薬を自然と断薬。なぜ自分に鍼灸が効いたのかを知りたく、鍼灸専門学校に入学。 整骨院・病院勤務後にまな鍼灸堂、後のはりきゅう処ここちめいどを開院。自身の経験を元にメンタル鍼灸を掲げ、患者に寄り添った施術を行いつつ、全国の鍼灸師が心に寄り添えるよう、オンラインサロンここちめいどを運営している。 2015年 まな鍼灸堂開院。 2017年 日本健康創造研究会「うつと鍼灸治療」講演 他年間全5件 2018年 人工知能学会学術大会 コモンセンス知識と情動研究会「元うつの鍼灸師が内省するからだとこころの変容」講演 他年間全9件 2019年 「うつ病心のケア合宿」講演 他多数 2020年 鍼灸師向けメンタル✖️鍼灸オンラインサロン「ここちめいど」開始。治療院名をはりきゅう処ここちめいどに改名。
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