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鍼灸師として考える「健康で豊かな」まちづくり

はじめまして。人口約1万人の熊本県甲佐町にて古民家ホテル「NIPPONIA 甲佐 疏水の郷(そすいのさと)」の支配人としてまちづくり活動を組織で行いながら、鍼灸師として活動している柴尾拓郎と申します。前職では鹿児島県の鍼灸整骨院にて5年間勤務し、院のリーダーとして治療院の運営やマネジメント、トレーナ活動、セミナー運営や地域を巻き込んだスポーツ大会の運営などをしておりました。

甲佐町は、私が小学生の頃山村留学という形で親元を離れ暮らした町でもあります。2年間、地元の小学校に通い、川や山などの自然の中で遊びを見出し、町の優しさに触れながら育った思い出があります。

そのような町で、「⼦どもを育てたい、暮らしたいと思ってもらえるようなひとづくり、まちづくりの推進」の理念のもと、同町内外の様々なひとや団体との連携しながら、⾃然、伝統、⾷、街並みなど、すべての地域資源の魅⼒を発掘、または向上させ、交流⼈⼝の増加による地域経済の循環を通した持続可能なまちづくりを目指す団体のプロジェクトに参加して活動しております。

ここで、突然ですがひとつ質問です。

あなたの考える「健康」とはいったい何でしょうか?

正解不正解は特にありません。

人によっては健康は当たり前のことすぎて普段は意識していないかもしれないですし、「健康が何よりも一番大事だ」と感じてらっしゃる方もおられると思います。大切なことは「健康」というものに向き合うことによって、何のために健康であるのか。例えば、「旅行したい」「バリバリ働きたい」などのように、自分自身の本当の望みが見えてくることです。それぞれの本当の望みを叶えていくことが個人の豊かさにつながり、ひいてはそこに暮らす地域の活性化につながっていきます。おそらく、健康はそのための重要な土台となるでしょう。

東洋思想には「未病治」という考え方があります。病気になってから治療をするのではなく、病名がつく前の段階で異変をキャッチしながら病になることを防ぐという考え方です。例えば、車が故障してから修理するのではなく、定期的にオイル交換や車検など壊れる前に点検やメンテナンスを行うことをイメージしてもらうと良いかと思います。

私の考える心身の健康のための大切な要素として「食事・睡眠・運動(遊び)・人間関係(コミュニティ)」があると信じており、「未病治」という側面において鍼灸治療だけではなく総合的にアプローチする方向はないかとずっと考えていました。

① 地域の新鮮な食材を使用したレストラン。

② 古民家を再生し、暮らす様に泊まるというリラックスできる空間。

③ キャンプや自然を利用したアクティビティや遊び。

④ 総合型スポーツクラブなどの地域の繋がりやコミュニティ。

上記の4つは弊社が行なっている事業であり、私が考える「健康」の要素が全て含まれている理想の形であると感じています。一人ひとり違う価値観の中で、町の健康を創造しながら経済も潤う仕組みを考える。現在私は宿泊施設を運営しながら地域との連携・創作を行い、宿泊される方はもちろん地域にお住いの皆様にも健康と喜びを感じてもらえるように活動しております。

まだまだプロジェクトは始まったばかりですので、具体的な施作方法や仮説検証にて気づいた点をみなさまの共有しつつ、今後も健康や豊かさについての考察や、地方創生、移住、新たな働き方のご提案などできればと思っておりますので一緒に考えを深めていけますと幸いです。

柴尾 拓郎
柴尾 拓郎https://nipponiakosa.jp/
一般社団法人 パレット 鍼灸師、日本スポーツ協会公認AT 1993年生まれ熊本出身。鹿児島のアーク鍼灸整骨院5年間勤務しながらトレーナー活動や講演など行う。2020年熊本に戻り、鍼灸師として活動する傍ら、古民家ホテル「NIPPONIA 甲佐 疏水の郷」支配人としてまちづくり活動にも参加。鍼灸師の新たな可能性やはたらき方を実践中。熊本県甲佐町在住。
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